2012年8月17日 (金)

浅草 13

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(Nikon D80)

まだまだ暑い毎日です。
少し前から塩野七海さんの「ルネサンスの女たち」を読んでいます。
本の中に出てくるのは15世紀後半から16前半にかけて生きた4人の女性たち。
とてもとても面白く興味深いのですが、なにしろ皆さん大変な人生で、一人読み終わると、「ふう・・・。」と深呼吸して少しの期間休憩をしなければいけない位濃い一生です。

歴史に名が残る人の中には、歴史の表舞台に出てくるために生まれてきたような人もいるでしょう。でも、中にはごく普通の平凡な人間なのにもかかわらず生まれた家、家族が普通ではなかったために華やかな舞台に駆り出され、波乱万丈な人生を歩まねばならなかった人もいます。本の中にもそんな女性も出てきます。

後の時代の人が振り返って冷静にみるとなんて大変な人生だったんだろうと思うような日々も、彼女たちはどうにか智恵を絞り勇気を出して乗り切りました。
真冬の頃のことを春に考えるとなんて寒い日々を自分はどうにか過ごしたんだろうと思うように、渦中にいる人は案外それに気がつかずただ懸命に過ごすだけしかできないからどうにか乗り越えられたのかもしれませんが、歴史に名が残ったりその周辺にいる人たちの人生というのは途方もなく大変なものです。
望んだ、望まない、にかかわらず、ルネサンスという大きな時代のうねりの中で強く生きていたこの4人の勇敢な女性たちに感服し、一人読み終わる度にぼうっとしています。

(今日のBGM:アニメ「ベルバラ」の主題歌)

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2011年4月 3日 (日)

2度読む、3度読む

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(Nikon D80)

昨日、久しぶりに図書館にも行ってきて、本を2冊借りてきました。
伊藤まさこさんの「信州てくてく おいしいもの探訪」と、木村伊兵衛の「僕とライカ」。

伊藤まさこさんの本は前に本屋さんで見て、読んでみたいなと思っていた本。
まさこさんはいつの間にか長野に住んでいるらしかった。
きれいな写真も沢山で、信州の美味しいものや楽しいこと、すてきな場所を沢山紹介してくれている本で、読んでいるだけで楽しくなってきます。
自分の父の田舎が長野県なので、どのページも興味深々。田舎の小布施も載っています。
どこの県もいい所はあると思うけど、自分はやっぱり長野県が好きなんだと思います。
山の空気も良し、りんごや栗やブドウなど、沢山のものが採れる豊かな地というのも良し、いつか写真を撮りに行ってみたい。

木村伊兵衛の本は、多分、図書館で借りるのが3度目位だと思います。
最初は写真を撮ったりしはじめた頃、「この人有名なんだよね、読んでみるか。」・・・という感じで借りて読んで、次は「ライカか・・・。読んでみるか。」という感じで。最近あまり写真を撮っていないので、手軽な本という形から写真の世界に近寄ってみよう・・・という感じで昨日。
木村伊兵衛って、どんな感じの人なんだろう?一瞬を捕まえる写真の世界の人だから鋭い目つきなのかな?などと最初の頃は思っていたのですが、写真で見ると、なんというか「犬のおまわりさん」みたいな(?)感じの雰囲気で、優しそうな人だったのが新鮮な驚きでした。
植田正治もそうですが、写真家が優しそうな感じの人だと撮られる方もリラックスしていい表情を見せてくれるのかもしれませんね。
今回読んで新鮮だったのが、ブレッソンとの交流のことを語っている部分(1957 パリで会った彼の印象-アンリ・カルチエ=ブレッソン)。
2009年に都写美で2人の写真展を見たせいでより深く楽しく読むことが出来ました。
本のいい所はそういうところでしょうか。
何度でも読めて、その度に印象が変わったり、経験などによってより深く考える事が出来て楽しかったり。
4月とはいえまだまだ寒い日もあるこの頃。
のんびり読書が嬉しいです。

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2010年7月28日 (水)

漂う

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(Nikon D80)

いつの間にか本棚に武田百合子さんの本が3冊増えていました。
「日々雑記」と「ことばの食卓」と「「遊覧日記」。
いつの間にか大人になった、お嬢さんの花さんの言動が百合子さんに似ていて楽しい。

相変わらず、何気なくハッとするいい表現がでてくる。

 「明日で連休は終わる。夕方から憂歌団のライブを聴きに出かけた。
   終演って表へ出たら月夜だった。にんにく一かけらの形の月。」

今まで向田邦子さんが空に浮かぶ白く透き通った半月を「だいこんの月」(薄い輪切りにしようとして切りそこなってしまった時のきれはしの大根のようだから)と言ったのをすごい感性だと思っていたけれど、「にんにく一かけらの形の月」はそれと双璧をなす感じで、さすがなだぁ・・・と唸る。
向田さんと百合子さんにはとてもかなわない。と思う。

読み始めたらまた富士日記がもう一度読みたくなった。
むかし、宇崎竜童さんが、奥さん(阿木耀子さん)の待つ家に帰るのが嬉しくて「ただいま~」の代わりに「桃源郷~」と言っていたという話を思い出した。
好きな本の世界に浸るのは その桃源郷を漂うみたいだ。

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2010年6月11日 (金)

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(Nikon D80)

富士日記を読み終わってしまって手持無沙汰なので、
通勤用に今日は家にある「犬が星見た」を持って行った。
ほれぼれする文章で、嬉しくなってしまう。
富士日記を読み終わってから読むと、「犬が星見た」の中の泰淳さんや百合子さんはいかにも泰淳さんや百合子さんらしくて またこの世界に入れるのかと思うとそれも嬉しくなる。

富士日記を読み終わったら見ようと思っていた百合子さんのムック(楢山節考も。)を、昨日Amazonで頼んで今日届いた。
百合子さんはイメージのまま。やっぱりいいなぁ!
本でイメージする泰淳さんは、何となく高橋源一郎みたいな感じの人かと思っていました。初めて見た写真の泰淳さん、百合子さんにひげ剃ってもらって、テラスの日向で寝転んで、百合子さんと一緒だからかな?しあわせそうな笑顔でかわいい。そうそう、このムックの中の写真が衝撃的にいい。この写真集があったら買う・・・!

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2010年5月 9日 (日)

富士山と百合子さん

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(Nikon D80)

武田百合子さんの「富士日記」を読んでいます。
武田百合子さんの本は、過去に、高校生の時に「犬が星見た」を読んだことがありました。
ネットなんてなかった当時、なぜか一時期ロシアにとても興味を持ち、ロシアに関する本を見つけては読んでいた時に武田さんのロシアの旅行記を見つけたのでした。
当時の印象では、エネルギーある女性、というイメージ。
今読んでみるとさらに輪をかけて魅力的で、ただ山の家でのことやなんかを書いてある日記なのに、ぐいぐい惹きこまれて「いいなぁ!」としみじみ思ってしまう。
写真にもその人は出るけれど、文章にもなんとなく人が出る。
武田さんの文章は、それこそ山のきりりと澄んだすがすがしい空気みたいで、
いいなぁ好きだなぁ!と読む度に思う。
すごいと思う文章には、思わず平伏してしまうような感性、文章の切れ味、という時もあるけれど、武田さんのそれには大らかな良さ、たくましさ、楽しむユーモアというのが加わる気がする。それは私がなぜか惹かれる奈良の良さに通じるような気もする。
Amazonのレビューでは沢山の他の人がやっぱりそう思っているみたいで、中にはもう少しで読み終わっちゃうのが寂しいと書いている人がいた。
そうなるかもなぁ、と思う。
そんな風に思う本には、めったに会えない。
いい本とその世界に出会えるのは幸せだ。

富士日記〈上〉 (中公文庫) 富士日記〈上〉 (中公文庫)

著者:武田 百合子
販売元:中央公論社
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2009年4月29日 (水)

赤いプラダ

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(Nikon D80)

最近読んだ本、立川談春「赤めだか」、最近観たDVD、「プラダを着た悪魔」。
どちらも面白かったです。とても勉強にもなりました。

立川談春さんは、名前から分かるように立川談志さんの門下の落語家さんです。
本には10代で入門するところから、二ツ目となり、そして真打となった現在のことまでが書かれています。
以前、TVで、なじみのお店でただ「座っている」というだけなのにもかかわらず、その人の発するものすごいオーラに、この人は何者?と目を離せなくなってしまった立川談志(機会があったらぜひぜひポートレイトを撮ってみたいです。)。
実は談春さんご本人のことは知らなかったのですが、どちらかというと師匠の方に興味があって、談志の弟子ってどんなことをして過ごしているんだろう?という興味から手に取りました。
読み応えありました。さすが落語家、話が上手なので面白くてどんどん読み進んでしまうし、子弟愛というのでしょうか(文中では、弟子の師匠への気持ちはいろいろな意味で恋愛感情にも似ているかもしれないというくだりがあったような気がします)師匠を尊敬する気持ちが溢れていて読んでいてとてもいいです。いろいろなエピソードの中では自分もとても勉強になることも多数。とくにすぐ下の弟子仲間、志らくが来たあたりで、嫉妬について談志が言った言葉がいい。

「プラダを着た悪魔」はなんといってもメリル・ストリープの存在感がすごい。すごすぎです。
お話の中では、自分で努力すること、自分で考えること、仕事のこと、いろいろ考えさせられました。

何かを読んだり観たりすると、何か考えたり、刺激を受けます。
そういうことが積み重なって、いろいろなことを知っていくのでしょう。
時々忘れてしまいそうになるのですが、がんばって意識していなきゃ、と思います。

(写真の「目」は、メリル・ストリープ)

※プラダを買った話じゃなくってスミマセン・・・!

赤めだか 赤めだか

著者:立川 談春
販売元:扶桑社
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プラダを着た悪魔 (特別編) [DVD] プラダを着た悪魔 (特別編) [DVD]

販売元:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
発売日:2008/10/16
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2009年3月25日 (水)

オーケストラは素敵だ

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(RICOH GR DIGITAL)

昨日から読み始めた本、茂木大輔さんの、「オーケストラは素敵だ」が面白いです。
シュトゥットガルト・フィルハーモニー管弦楽団第一オーボエ奏者を経て、HNK交響楽団の首席オーボエ奏者。2001年から日本フィルハーモニー交響楽団を指揮もしている茂木さん。
肩書を読むと、「うむむむむ・・・、真面目な話しか書いていないのかな」と構えてしまいますが、確かに真面目な話を真面目に書かれているのですが、ご本人の人柄なのでしょう、文章がものすごく楽しくて、どんどん読み進めてしまいます。
(「著者紹介」のところのカメラ目線の写真も、すでに楽しい。おぬし、何者じゃ!という感じ・・・!写真だけ見るとちょっと三谷幸喜さんに雰囲気が似ているかも・・・。)
そして音楽や演奏することに対する情熱も伝わってきて、なんだかいいなぁ(笑)、自分も頑張ろう、と思って元気が出てきます。
同じ、音楽を好きなもの同士集まった仲間。
オーケストラのメンバーという仕事は大変だとは思いますがとても楽しそうで、読んでいて楽しくなってきます。

オーケストラは素敵だ―オーボエ吹きの修行帖 (中公文庫 (も27-1)) オーケストラは素敵だ―オーボエ吹きの修行帖 (中公文庫 (も27-1))

著者:茂木 大輔
販売元:中央公論新社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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2009年2月 7日 (土)

ローラのお母さんの少女時代

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(RICOH GR DIGITAL)

小さなころ、HNKで放送されていたドラマ「大草原の小さな家シリーズ」が大好きでした。
オープニングでローラがお花畑を走り回る姿は憧れで、春先、野原におおいぬのふぐりが沢山咲き始めると、親友のMちゃんと一緒によくキャーキャーいいながら大喜びで走り回って、ローラのつもりになって遊んだものでした。
本の「大草原の小さな家」を読んだのは中学生の時。
外には野生の狼がいるような大自然の中で、みんなで力をあわせて暮らしていくローラの一家の物語にどんどん惹きこまれ、厚いハードカバーもなんのその、ハラハラドキドキ、わくわくしながらあっという間に読んでしまいました。

この間、福音館書店のHPを見ていた時に、そのローラのお母さん、キャロラインの少女時代のお話が最近出版されているのを知りました。
「クワイナー一家の物語」というそのシリーズは、現在5冊出ています。
開拓者の大変な暮らしの中で、どんなものも無駄にせずいつも工夫して家を切り盛りしていた優しいお母さん。
どんな少女時代を過ごしたのでしょうか。
今、一番読んでみたい本です。

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2008年10月11日 (土)

うれしい相席

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(Nikon D80)

朝食をとらずに出かけた今日。
途中、軽く何か食べようと座った場所で、60代くらいの女性と相席になりました。
本を読んでいた私に、その方が「須賀敦子さん・・・?」と話しかけられました。
読んでいたのは、須賀敦子さんの「トリエステの坂道」。
先日、芸術新潮で特集されているのを見かけて、久しぶりに読みたくなって、今朝本棚から取り出して出かける時に持って来たのでした。
時間がなかったのでブックカバーがかけられず、そのままだったのですぐ分かったのでしょう。
「須賀さんはとてもいいわね。大好きなの。
 ごめんなさいね。つい嬉しくなってしまって話しかけてしまって。」
と、とても嬉しそうな顔をなさっています。
人はどうして自分の好きなものを語る時、女性は少女のように、男性は少年のような顔になるのでしょう。この女性も少女に戻ったような無邪気に嬉しそうな顔をして私の方を見ています。私も嬉しくなりました。そのあと須賀さんの本のこと、ご本人のこと、いろいろと共感したり、お話ししました。
須賀さんの文章は繊細で、豊潤な果実のように香り高くとても魅力的です。
初めて読んだ時は水をゴクゴクと飲み干すようにぐんぐん読んでしまいました。
時々思い出して、ふとした時にまた思い出して読みたくなるような、そんな惹かれる(気になる)文章です。きっとご本人もそういう方だったのでしょう。
とても楽しい時間を過ごすことが出来、うれしい相席でした。

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2007年1月20日 (土)

てぶくろ

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寒い寒い土曜日。
暖かい日には春を待ってふくらんでいるように見えた花芽も、今日は固く閉ざして寒さにじっと耐えているように見えます。

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図書館に行ったついでに、
なにか暖かくなる本を・・・と思い、「てぶくろ」という絵本を借りてきました。

「てぶくろ」はウクライナの民話です。
おじいさんが森の中を歩いているうちに、落としてしまった片方のてぶくろ。
それをみつけた森の動物達が次々やってきて、この中に住んで、温まるのです。

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「ぼくもいれて」「わたしもいれて」と、
動物達は次々にやってきます。

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その度に先に「てぶくろ」に住んでいる動物達は、
「いいよ。」と言って入れてあげます。

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クマまでやってきて、
最後には総勢7匹。
「てぶくろ」は今にもはじけそう。
(でも、みんなぽかぽか暖かで、ぎゅうぎゅうでもなんだか楽しそうです。)

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おじいさんが「てぶくろ」を落としたことに気づいて森に戻ってきたところで、このお話はおしまい。

みんなで仲よく温まるお話で、こころも、外から帰ってきて冷え切った体もすっかり暖かくなってきました。

てぶくろ―ウクライナ民話 てぶくろ―ウクライナ民話

著者:エウゲーニー・M・ラチョフ,うちだ りさこ
販売元:福音館書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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