2012年8月10日 (金)

Nice to meet you.

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(Nikon D80)


今年の夏この少女に会いに行かずに過ごしてしまったとしたら、後悔してもしてもしてもしてもしきれなかったでしょう。
無事観に行けて良かった。リニューアルオープンしたばかりの東京都美術館で開催されている、「マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝」、少女はフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」です。今日、観に行ってまいりました。

古今東西いろいろな絵画、美術展がありますが、こんなにウキウキした気持ちで美術館に行ったのは初めて。今までも美術館に行くのに気が急いてしまうものはありましたがそんな中でもぴかいちです。やっぱり美しい少女はみんなの心を浮き立たせるのでしょうか。

いろいろあった展示の中で、特に印象的だったのは2枚。
「真珠の耳飾りの少女」と、レンブラントの最晩年の自画像です。

「真珠の耳飾りの少女」はもう、感激しました。
ああ、観れた。これがあの少女か。・・・と鳥肌です。
会場の中で少女の絵は一枚で大きな一部屋を与えられているのですが、それがまったく大袈裟でない。そのスペースを充分満たしてまだ余りある存在感でした。
絵にたどり着くまで、まるで傾斜のない「いろは坂」のように沢山のクネクネした通路が作られているのですが、それも良かったです。何故ならそのいろは坂を歩きながらずっと、チラチラと少女の絵が観られるのです。遠くから、斜めから眺めてシアワセな気分でした。
すぐ後ろのおばさまたちの話声が聞こえてきます。
「すごいわねぇ。目が。」
「どこに行ってもこっちを見てるのよね。お月さまみたい。」
お月さまですよ・・・!皆さん。
いい例えですね。私はすっかりこの例えが気に入ってしまいました。
美術展では他のお客さんの話をこっそりと聞くのも楽しかったりします。
いろは坂をずんずんと進んでいくと、いつか少女のまっ正面にやってくる時が来ます。
止まらずに、ずっと歩いて流れながら観ていくというような形ではあるのですが、もう私は目が逸らせず、ずーっと目を合わせていました。
今、世界で一番この絵に近い場所にいるのだ。
一番近くで目を合わせているのだ。
そう思うと嬉しさでいっぱいになるのでした。
数百年前の絵なのに、絵だからこそ、少女は永遠です。
唇は瑞々しく、真珠は指定席彼女の耳におさまり、光は少女の上に踊る。
すごいな。世界中の人を魅了する圧倒的な魅力を直に感じることが出来てとてもとても嬉しかったです。

レンブラントの自画像は、巨匠最晩年の絵だけに、ものすごい迫力、力を持っています。
実はこの絵もお月さまで、どこから見ても目が合います。だけど、右から観るのと左から観るのと表情が違う。
でも、どちらからでも、見つめ合っていると何か訴えているようです。
何を感じるかは観る人それぞれだと思いますが私はあることを言われた気がしました。
通り過ぎて振り返ると、今度は違う表情でこちらを見ています。「本当にそうなんだよ。」とさっきのことを言っているような顔。いろいろ考えさせられる一枚でした。

他にも沢山の絵があります。ブリューゲル、ルーベンスもあるし、自画像以外にもレンブラントの印象的な光を観ることが出来ます。盛り沢山のマウリッツハイス美術館展、とても楽しかったです。

また、今回の展示は美術館のリニューアル後初めて。何が変わったって、館内の展示スペースを上がる時に以前は階段だったのに、エスカレーターが出来たのが私には一番嬉しかった。東京都美術館って外から見ると一見小さく見えるのですが意外と展示にボリュームがあって、その中で階段を上がるのがちょっとつらい時があったのです。リニューアル万歳です。また行くのが楽しみになりました。

マウリッツハイス美術館展は9月17日まで開催されています。

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2012年7月20日 (金)

ロマンチストたちへ

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(Nikon D80)

実は、ラファエル前派の絵画が好きである。
ウイリアム・モリスのファブリックも大好きで、
だから、これはどうしても行こうと思っていた。
三菱一号館美術館で開催されている、「バーン・ジョーンズ展」。
ちょうと出かけたのでついでに三菱一号館美術館に行ってきました。

もう、大・満足です。
こんなに満たされた嬉しい気持ちになった展示は、何年振りだろう?多分、ハンマースホイ以来だと思います。
ロマンチックな絵の数々に、すっかり舞い上がって興奮してしまいました。
「眠り姫」の飾られている部屋に足を踏み入れた時は鳥肌。
そんなのは初めてです。
とにかくすてき。この部屋にずっと、住んでしまいたい。と思ったほど。

自分の作った彫刻に恋をしてしまった、ピグマリオン。
メドゥーサを退治した英雄ペルセウス。
題材もロマンチックで素敵です。
もしも赤毛のアンがこの絵を観たら、きっとすぐさま憧れて、友人たちと物語の再現に努めたことでしょう(赤毛のアンは、お話の中で、オフィーリアに憧れて同じように小舟に横たわって乗り、誤って川に落ちてしまいギルバートに助けられる・・・というくだりがある。)

蝋のようにすべすべとして官能的な、白い肌。
吐息が聞こえてきそうな女性たちのポーズ。
香しい果実のような、服の色。
何か言いた気な瞳と豊かな髪。
なんなんでしょうと思う位すてきで、ため息の連続でした。

行って良かった。
最近、あまり沢山は観に行けないのですが、その分本当にどうしても行きたいものだけ厳選して行くので、満足度が高い気がします。
今回は久し振りに、図録も買ってしまいました。
時々眺めてはしばし物語の夢の世界に旅してこようと思います。

展示は8月19日まで。
全国のロマンチストたちへ。

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2010年7月 3日 (土)

オルセー美術館展2010

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(Nikon D80)

ついに「オルセー美術館展」に行ってきました。
大好きなルソー(アンリ・ルソー)が来る、ということもあり、前からこれはぜったい行かなくてはと思っていました。
フランスのオルセー美術館の改装に伴い、その間に世界を回る珠玉の作品たち。サルコジ大統領が「これらの絵画がまとめてフランスを離れることは2度とない」と言っているこの展示の、約半数が初来日なのだそうです。「空前絶後の世界巡回展」とのこと。書いているだけでぞくぞくしちゃいます。

入ってすぐの一番初めはドガの「階段を上がる踊り子」。
いいとっかかりです。
美術館に入ってきた自分と階段を上がってきた踊り子たちの姿が重なります。
色合いもきれい。

次に現れるカミーユ・ピサロ、モネの霧の中のロンドンの国会議事堂、色合いもタッチもすごくいいです。
ピサロの橋の絵は写真で言うところのマジックアワーみたいに、ほんのり色づいた空や街がとてもきれい。
モネの議事堂は帰りにポストカードを買いました。
そのうちスーラのコーナーになり・・・スーラの下絵7点。下絵とはいっても、特に、「ポーズする女」の3点は作品と言ってもいいほど完成度高。繊細で美しい小品3点が並んでいるのを目にすると感激してしまいます。あーしあわせ、あー嬉しい。美しいものを見るしあわせ です。スーラは風景画もいいです。構図とか繊細な点描。同じ点描でもシニャックなんかは写真で言うところの彩度が高くこってりした色合いなので、ちょっと違う(今回の展示の中の「マルセイユ港の入口」という作品は好きです。)。私はスーラの色合いが好き。「道行く二人」、というシャルル・アングランという人の点描もすてきでした。

次はゴッホとゴーギャンです。
ゴーギャンは「牛のいる海景」という初めて観た絵が、印象的でした。
ゴッホは・・・いいですね~。ゴッホ、好きなんです。好きなもの(絵)へののめりこみ方とか、純粋なものがきらきらしているような気がします。「星降る夜」という絵は震えるほどきれいな星空。じーーーっと長い間観てしまいました。私の目の前にいた学生風男の子が、誰かにメールを打っていました。「ゴッホ、かっけー(かっこいい)。」って書いてありました(見てしまった!)。わかる、お姉さんもわかるよ。
美術館の中で、ゴッホとゴーギャンの肖像画は向かい合って展示されているのだそう。

初めて知った「ナビ派」という作品群も面白かった。
象徴主義に近しかったというモールス・ドニという画家の一連の作品は気になる絵でした。ちょっと好きかも。ピエール・ボナールの猫の絵もよくて、これも、部屋に飾ろうとポストカードを買いました。

そして、ギュスターブ・モローの「オルフェウス」。
これも観たかった。
「ギリシア神話の詩人にして竪琴の名手オルフェウスは、愛する妻を失った悲しみから、女性を遠ざけるようになる。これに怒ったバッカスの巫女たちはオルフェウスを八つ裂きにし、その頭と竪琴を川に投げ込んだ。流される首は歌を口ずさみ、竪琴は音楽を奏でたという。モローはこの物語を取り上げるにあたり、流れ着いた首と竪琴を若い女性が拾い上げるという新たなエピソードを創作した。そして、優雅な衣装に身を包んだ女性と、その腕に抱かれる竪琴に載った詩人の首を甘美な静けさに満ちた幻想的な風景の中に描いたのである。」(美術館HPより)
ギュスターブ・モローの世界は見てはいけない甘美な世界。でも目を離せない。

ハンマースホイの「休息」も来ていました。
この絵は多分再会。嬉しくなりました。
静かな絵なのにもかかわらず、やっぱりすごい存在感のハンマースホイの世界。
自分の世界をしっかり持っていることの大切さ。

最後のコーナーのひとつ手前。
大好きなルソー(アンリ・ルソー)の絵が2枚来ていました。
初めてルソーの観たのは上野でのバーンズコレクション展で。一目ぼれでした。
この世界、色(特に緑)、題材。
ちょっと詩を感じる、夢の中と現実の境目のような絵。大好きです。
今回の展示の中でも、「蛇使いの女」はたまらなく惹かれる絵です。
観れてよかった。

さすがの量、質。
観ている間、何度「あーしあわせ、あー嬉しい。」と思ったことでしょう。
日本も独自の美しい文化を持ち世界に誇れる国だと思っているのですが、やっぱりフランスも芸術大国。ということをひしひしと感じました。
美しいものを見ると人はちょっとしあわせになります。
絵や、音楽やそんなうつくしいものたちがあって本当によかったです。

            *            *            *

オルセー美術館展は、六本木の国立新美術館で8月16日まで開催されています。

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2008年12月 2日 (火)

ワイエス

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(Nikon D80)

NHKの日曜朝の番組「新・日曜美術館」のHPを見ていたら、次週の特集はアンドリュー・ワイエスとのことだったのでとても楽しみです。
HPで初めて知ったのですが、現在、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムでワイエス展「創造への道程」が開催されているようです。

アンドリュー・ワイエス(1917~)。
アメリカの画家です。
「この画家が描く荒涼とした自然に、あるいは切妻屋根のカントリーハウスに、そして人々の素朴なまなざしに、アメリカの原風景のようなものを感じる人も多いだろう。ワイエスは生涯のほぼ全ての時期を、アメリカ東部、生まれ故郷のペンシルヴェニア州チャッズ・フォードの丘陵か、夏の別荘があった北部メーン州の海辺で送り、絵を描いた。どちらもこれといった特徴のない、平凡な田舎なのだが、この国の殆んど土地がそうであるような「何もない素晴らしさ」を、日常の一こまを、見過ごしがちな部屋の一角を、肯定的にあるがままに描いたのだ。それら心にしみる物静かな情景は、かつて開拓民であったアメリカ人の心を捉えた。そしてそれは私たち日本人の琴線にも触れ、多くの根強いファンを生み出したのである。」(Bunkamura ザ・ミュージアムのHPより)

初めて美術館で観た時からずっと、何か気になる絵だと思いながらも何故なのか自分ではっきりとは分かっていなかったのですが、でも、このHPの文章で、あとちょっと何かあればその「何故」が分かりそうな気がしました。
絵でも、写真でも、自分が好きなものをなぜ好きなのか気がつくことで、自分がこれから撮りたい写真も分かってくるかもしれません。
また観に行ったら、何か分かるかもしれませんね。

番組では本人へのインタビューもあるそうなので、とても楽しみです。

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