富士山と百合子さん
(Nikon D80)
武田百合子さんの「富士日記」を読んでいます。
武田百合子さんの本は、過去に、高校生の時に「犬が星見た」を読んだことがありました。
ネットなんてなかった当時、なぜか一時期ロシアにとても興味を持ち、ロシアに関する本を見つけては読んでいた時に武田さんのロシアの旅行記を見つけたのでした。
当時の印象では、エネルギーある女性、というイメージ。
今読んでみるとさらに輪をかけて魅力的で、ただ山の家でのことやなんかを書いてある日記なのに、ぐいぐい惹きこまれて「いいなぁ!」としみじみ思ってしまう。
写真にもその人は出るけれど、文章にもなんとなく人が出る。
武田さんの文章は、それこそ山のきりりと澄んだすがすがしい空気みたいで、
いいなぁ好きだなぁ!と読む度に思う。
すごいと思う文章には、思わず平伏してしまうような感性、文章の切れ味、という時もあるけれど、武田さんのそれには大らかな良さ、たくましさ、楽しむユーモアというのが加わる気がする。それは私がなぜか惹かれる奈良の良さに通じるような気もする。
Amazonのレビューでは沢山の他の人がやっぱりそう思っているみたいで、中にはもう少しで読み終わっちゃうのが寂しいと書いている人がいた。
そうなるかもなぁ、と思う。
そんな風に思う本には、めったに会えない。
いい本とその世界に出会えるのは幸せだ。
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富士日記〈上〉 (中公文庫) 著者:武田 百合子 |
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コメント
>いい本とその世界に出会えるのは幸せだ。
ほんと、幸せだ!
武田百合子の「富士日記」とても良かったです
食事内容だけでもすばらしいものがありました
率直な語り口で目を丸くして読みました
飼い犬が亡くなった時の百合子さんの文章が
今も心に残っています
そういえば上巻を読んで中、下巻とすぐに本屋に
走りました
晩年まで百合子さんは自由に生きたかたでした
「富士日記」を読むと毎日がとても大事で
貴重に思えます
投稿: グールドの帽子 | 2010年5月10日 (月) 10時36分
グールドの帽子さん、こんばんは!
グールドの帽子さんも読んでいましたか・・・!
いい本ですね。読んでいると豊かで幸せな気持ちになってきます。
通勤途中でも、いつでも。
この幸せな世界を共有できる、本って本当にいいですね。
>食事内容だけでもすばらしいものがありました
そうそう!本当に!
>飼い犬が亡くなった時の百合子さんの文章が
それを考えるとつらいです・・・。
ポコってすごくかわいいです(名前もすごくかわいい。)。
今「上」の半分あたりを読んでいますが、
梅崎さんが亡くなった後、お祭りの花火があがっては
消えていく様を見て梅崎さんを思い出すくだりも印象的でした。
そう思うとここはつらいだろうなぁ・・・。
百合子さんはとても魅力的な方ですね。
その世界にぐいぐい惹きこまれていきます。
読んでいると
なんでもないような普通の毎日がとても幸せな事に
気がつきます。
(最後まで読んだらもっとそう思いそうです。)
(つい長文に・・・・・長くてすみません!!)
投稿: anise | 2010年5月10日 (月) 22時45分