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2009年12月12日 (土)

木村伊兵衛とブレッソン

Dsc_4974

(Nikon D80)

用事があって恵比寿の近くまで行ったので、写真美術館に寄って「木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン」を観てきました。
構図や見ているところなどとても勉強になるのはもちろん、どちらも好きな写真なので本当に楽しかったです。
木村伊兵衛では「植木市、浅草」、「隅田川」が印象的でした。
下町の子供たちの、坊主頭が寄り集まった風景もかわいいし、東北の青年たちもいい。
赤ちゃんにお乳をあげるお母さんもいい。
昔の人たちの方が、表情に覇気があると思うのは私だけでしょうか。みんないい顔しています。

ブレッソンの写真はやっぱり構図のうまさにうなります。それと、その瞬間を切り取れる才能にも。好きでポストカードを持っているものが何点かあるのですが、実物を目の前にするとやっぱりオリジナルプリントはよくて、「もしも大金持ちになったらこれを買う・・・!」などと無謀なことを考えてしまったり(笑)
初めて見た写真では、「グラインドボーン・オペラの幕間」が印象的でした。本で、向こうではオペラの幕間がゆったりととってあり、その間はワインを飲んだりおしゃべりしたりしてその時間も楽しむのだと読んだことがあります。そんな文化がしっかりと根付いている国の豊かさを感じるような写真。沢山の鳩が飛び立つ瞬間の写真もよかったです。

著名人を撮ったものも面白いです。
ブレッソンでは雨の中ジャコメッティを撮ったものが好き。
ルオーはどことなく本人の描く絵と印象が似ているような。
木村伊兵衛では、永井荷風が飄々としていい感じでした。
横山大観もよかった。
上村松園の写真はそのまま日本画みたいです。
その人を一枚で語るような、そんな写真が撮れたらいいですよね。

それから最後に、今回の展示、行って良かった・・・!と思ったのは、なんと、木村伊兵衛、ブレッソン両氏のコンタクトプリントが多数展示されていたこと。
そんな機会滅多にないですよね。
見ていると、両者の撮り方の違いなんかが少し分かったり(木村伊兵衛は、わりと同じ被写体を何枚もいろいろな風に撮ってためしているみたいでした。)、番号の書いてあるものはどの順番に撮っていったのかで視線や興味の流れみたいなのもの、複数撮った中からどの写真を作品にセレクトしたのか等分かって楽しいです。(セレクトは、なぜそれを選んだのか想像するのも楽しい。)
木村伊兵衛の作品で、「中山夫人」という作品があり、この人は「な、何者・・・?」というただならぬ雰囲気を醸し出しているご婦人なのですが、その写真のコンタクトプリントもあって、個人的にちょっと興味深かったです。
私も含め、みんなものすごく近づいてじーっとコンタクトプリントを長いこと見ていて、その様子も面白かった。

「木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン」は、2月7日まで開催されています。

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コメント

これはすごい展覧会ですね!!
2月までやっているのなら、何とかして見に行かなければ!
コンタクトプリントは見る価値ありそうです。

投稿: marikichi10 | 2009年12月12日 (土) 18時36分

そうなんですよ~
ブレッソンと木村伊兵衛っていわれたら、
これは見に行ってみたいっ・・・!!行かなければっ!ってなりますよね。
いい写真が沢山見れて、刺激も受け、
コンタクトプリントも見れてすごく得した気分になりました。
ぜひぜひmarikichi10さんも足を運ばれてみてください。
そして、marikichi10さんが東京に行くとなれば
またmarikichi10さんの東京写真が拝見出来るのも
私は楽しみです

投稿: anise | 2009年12月13日 (日) 18時13分

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