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2009年10月10日 (土)

饒舌な暗やみ

Dsc_4657_2

(Nikon D80)

ギャラリーのはしご。

目黒、Blitz Galley、清家冨夫さんの「Eighteen month」、
渋谷、ルデコ、加藤法久プリントワークショップ写真展 「SABADO 11」(饒舌な暗やみ)、
新宿御苑、蒼穹舎、横内香子さんの「IN THE BOX」、
同じく新宿御苑、トーテムポールギャラリー、有元伸也さんの「WHY NOW TIBET」。
たくさん見てきました。

清家さんの写真が美しいのは言わずもがななのですが、ルデコのSABADOは、「あきれるほどきれいなプリント」だというので楽しみにして行きました。
本当にどれもとてもきれいでした。しっかりと見てきました。いいなぁ。こんな風に出来るようになりたい。写真で特に好きだなと思ったのは、入ってすぐの葉や花の写真。ちょっとお話させていただいたのですが緊張してあまり話せませんでした。写真も研究しなきゃいけないけれど、初対面の人ときちんと話せるようにもならなきゃな・・・とそこも自分の今後の課題です(汗)。
清家さんの写真は気配を感じる写真でした。
「2007年の秋、セイケは英国人の友人から、英国南東部サセックス州にある築400年以上のコテージを購入するので見に来ないかと誘われます。早々に訪問すると、その古い民家はまだ前オーナーが住んでいたままの状態で数ヶ月のうちに友人が引っ越しを済ませる予定とのことでした。セイケは室内に入ると直ぐにこれまでに感じたことのないような緊張感と、ある種の重さをまわりの空気から全身に感じたということです。それは家の中の何処にでもついてくるような不思議な緊迫感だったとも言っています。前オーナーは60歳代の女性で終の住処にこのコテージを購入したのですが、僅か18ヶ月後この世を去ってしまったということです。
セイケが見た家の内部はまさに前オーナーが亡くなったままの状態だったのです。彼女は、自分が愛するアンティーク・ドールを多くの部屋に置いており、地元ではドールハウスと呼ばれていたそうです。わずか18か月しか住めなかった家の中には彼女の気持ちが消えずに残っていたのでしょう。その思いが、感性豊かな写真家の心に伝わったのだと思います。たとえどんな人が移り住んでも、“いま感じるものは総て消えてしまう”というセイケの思いが、限られた時間の中での撮影を決心させました。本作は、2007年秋から2008年春にかけて撮影された、イングランド古民家の一種のドキュメントです。」(ギャラリーHPより)
陽のあたる椅子に、シーツの皺に、住んでいたその人のいつもの時間がまだそこにあるような感じです。人形が、清家さんを「今度来たやつはどんなやつだ」と様子をうかがっているようです。
いろいろ考えさせられます。
濃厚なチョコレートのようなモノクロがとても美しい。

「IN THE BOX」はボクサーたちの写真。
ここでは戦う男たちの熱い気配が伝わってきます。
有本さんの写真展はチベットの人たちがすごくいい表情。
こんなうちとけた表情を撮れるなんてすごいです。
コミュニケーションとって・・・。やっぱり写真も人対人なんだということを再認識。
いい写真ばかりでした。

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コメント

はじめまして、セイケといいます。
このたびはブリッツギャラリーでの展覧会について、ブログで詳細な記事をありがとうございました。
失礼とは思いましたが、一言御礼申し上げたくコメント欄を使わせていただきました。また時折ブログ拝見させていただきたいと思います。

投稿: b-road | 2009年10月13日 (火) 19時43分

>b-roadさま(セイケさま)

はじめまして。
この拙いブログをご覧になっていただき、また、コメントまでいただき
とてもとても嬉しく、そして恐縮に思います。
本当にありがとうございました。

この度のブリッツギャラリーの展示、
写真の中の空気にそこにいた人の気配を感じ、視線の先を想像し、
生きているもの、生きること、についてやいろいろなことを考えました。
また濃厚なチョコレートのような美しいモノクロを拝見させていただき
とても勉強させていただきました。

お礼などいただいてしまいましたが、
私の方こそ写真を拝見し清家さんの世界に触れさせていただけることにとても感謝しています。
これからも展覧会で美しいプリントを拝見させていただくことを
楽しみにしています。
秋も深まり朝晩肌寒い季節になってまいりました。
風邪など召されませぬようご自愛ください。

投稿: anise | 2009年10月13日 (火) 21時08分

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