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2009年6月27日 (土)

日本の美術館名品展

Dsc_4031

(Nikon D80)

東京都美術館で開催されている、「日本の美術館名品展」に行ってきました。
この美術展は、全国の公立の美術館100館が参加しその膨大なすえりすぐりの名品を一同に公開するもので、公立美術館のネットワーク組織、美術館連絡協議会の25周年を記念して開催するものなのだそう。
教科書に載っている作品から、これまで美術館を出たことがない作品まで、西洋絵画50展、日本近・現代用賀70点、日本画50点、版画・彫刻50点、の計220点により、日本のコレクションの到達点を見せてくれる展示なのだそうです。

220点、かなりの見ごたえです。
ルノワール、セザンヌ、ピカソなどのおなじみの有名どころの画家から、企画展が来ないと目にすることが出来ない画家のもの、例えばエゴン・シーレやブラック、はたまたラファエル前派のサー・エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズや、ウォーホルやホックニー、東郷青児やフジタなどまでとにかくよくぞこんなにいろいろ集めました・・・と驚いてしまいます。ポロックとキスリングの絵の実物を、初めて観ました。感激しました。

入ってすぐはオノレ・ドーミエの「ドン・キホーテとサンチョ・パンサ」。
砂漠を旅する二人の絵、これがとてもいいです。
これからの絵画の旅への期待が高まります。

印象的だったものが沢山ありすぎて全部は書けないのですが、いくつか。

ボナール「浴室の裸婦」。
彩度を抑えた色彩の中に女性がいます。全体的にあまりコントラストは強くないのですが、必要なところにはコントラストが効いている。写真でいうと、古い柔らかい描写の、とても上等なレンズで撮ったかのような印象。絵は色があるのですが、モノクロ写真でもすてきだろうな・・・という写真の目で見て気になる絵でした。
(ボナールはもう1点妹さんをモデルにした絵も展示されていて、そちらも良かったです。)

アンリ・ルソー「サン=ニコラから見たサン=ルイ島」、松本竣介「駅(東京駅裏)」、
2点共ちょっと寂しげな絵で、気になりました。

ヘンリー・ムーアの15cm程の小さなブロンズの作品、「弦のある形」。
音楽を想像するのが楽しい。
弦の組み方もきれいで、手元に置いてみたいような作品。

小磯良平や黒田清輝などの絵はやっぱりいいなぁとしみじみ。
「日本の家屋は夏を旨にすべし」と言って、昔は夏を過ごしやすいのを第一に考えて家を造ったと聞いたことがありますが、絵画も、日本の絵画は夏に涼しげな絵が一番日本の良さを伝えているような気がする時があります。着物の女性がきりりとしていたり、涼しげな木漏れ日の夏の日のような作品は、観ていてとても心地いいです。

東郷青児の、若き日の前衛的な作品「彼女のすべて」。
意外な絵が観られたのもとてもよかったです。

小杉放竜「金太郎遊行」。
金太郎を乗せて歩いているくまの表情がとても優しくていいです。

フジタの「私の夢」は、寝そべる女性の周りを様々な動物たちが囲んでいる不思議な絵。
動物たちの表情が、なんとなく小さいころよく読んだ佐藤さとるさんの本の挿絵(村上勉さん・画)を思わせて楽しい。
私はフジタの絵の女性の桜貝のような爪が好きです。

その他、ブラックの静物画の色合い、速水御舟の「女二題」シリーズ、あまりにも怖すぎる香月泰男の「涅槃」、国吉康夫「夜明けがくる」、エゴン・シーレの存在感、初めて観たキスリングも良かった。とにかく盛り沢山でした。

また、今回の展示がほかの企画展と違うのは、普段これらの絵を収蔵している各美術館から、それぞれの作品についての解説が添えられていることでした。
どの絵も収蔵している美術館からしてみたら特別思い入れがあるものです。
購入に至った経緯や、その美術館の中や世界の絵画地図の中での位置づけなど、丁寧に説明してくれていて、それを読んでから作品を観る事で、より一層理解を深めることが出来るのでした。

そんな楽しい「日本の美術館名品展」、7月5日まで開催されています。

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