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2008年10月11日 (土)

うれしい相席

Dsc_1221

(Nikon D80)

朝食をとらずに出かけた今日。
途中、軽く何か食べようと座った場所で、60代くらいの女性と相席になりました。
本を読んでいた私に、その方が「須賀敦子さん・・・?」と話しかけられました。
読んでいたのは、須賀敦子さんの「トリエステの坂道」。
先日、芸術新潮で特集されているのを見かけて、久しぶりに読みたくなって、今朝本棚から取り出して出かける時に持って来たのでした。
時間がなかったのでブックカバーがかけられず、そのままだったのですぐ分かったのでしょう。
「須賀さんはとてもいいわね。大好きなの。
 ごめんなさいね。つい嬉しくなってしまって話しかけてしまって。」
と、とても嬉しそうな顔をなさっています。
人はどうして自分の好きなものを語る時、女性は少女のように、男性は少年のような顔になるのでしょう。この女性も少女に戻ったような無邪気に嬉しそうな顔をして私の方を見ています。私も嬉しくなりました。そのあと須賀さんの本のこと、ご本人のこと、いろいろと共感したり、お話ししました。
須賀さんの文章は繊細で、豊潤な果実のように香り高くとても魅力的です。
初めて読んだ時は水をゴクゴクと飲み干すようにぐんぐん読んでしまいました。
時々思い出して、ふとした時にまた思い出して読みたくなるような、そんな惹かれる(気になる)文章です。きっとご本人もそういう方だったのでしょう。
とても楽しい時間を過ごすことが出来、うれしい相席でした。

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コメント

aniseさん こんばんは
いい出会い 声をかけられて良かったですね
表紙カバーのないのが幸いでした

aniseさんの水をゴクゴク 
たぶん須賀さんも留学と滞在でイタリアをゴクゴク
吸収したと思います
須賀さんが描いた街々を訪ねることができるまで
読み返して楽しむことにしようーッと
 

投稿: グールドの帽子 | 2008年10月12日 (日) 22時51分

グールドの帽子さん、こんばんは。
とてもすてきな会話が出来、楽しい相席でした。

水をゴクゴク。
でも、もっと沢山ゴクゴク飲まないといけないなと思いました。
須賀さんのことを書こうと思ったこの記事ですが、、なんとなく、
書いていて私の説明は陳腐な気がしました。
須賀さんやグールドの帽子さんのように書けるようになるのが
目標です。
いろいろな事を吸収したい。欲張りな秋です。

投稿: anise | 2008年10月13日 (月) 21時39分

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