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2008年8月10日 (日)

光悦vs長次郎

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(RICOH GR DIGITAL)

少し前のことになりますが、上野の国立博物館で開催されている、
「対決 巨匠たちの日本美術」を観にいってきました。

24人の日本の美術界の巨匠中の巨匠たちが見せてくれる、
なんとも贅沢な贅沢な12戦。
1番印象に残ったのは、自分でも意外だったのですが
「光悦vs長次郎」の1戦でした。

今まで茶碗はあまり観たことがなく、観る前は、自分が観てみて
何か感じられるかどうか分かりませんでした。
みんな同じに見えるんじゃないかな・・・普通の茶碗と違いなんてあるのかな・・・などと恥ずかしながら思っていたのですが・・・違いました。すごかったです。
形も、大きさも、その他にもいろいろな制約がある中で、
長次郎は端正に、光悦はのびやかに、それぞれ自分の美意識を凝縮させて
器という形にしているのでした。
もうそれはそれは美しい。感動しました。
どちらが勝ちということではなくどちらが好きかというと、私の場合は光悦かもしれません。
個性を内に秘め端正に整った長次郎の茶碗と対照的に、のびのびと個性を発揮して造形されているように見えながらも、光悦のそれはいろいろな要素が繊細に繊細に絡み合っていて、ちょっとでも違うともう別のものになってしまうような絶妙なバランス。
とても刺激を受けます。
やるなぁ。光悦!と見とれてしまいました。
多分、同じ時代に生まれて同じ職業についていたとしたら、
そんな作品はとても自分には作ることが出来ない悔しさを味わいながらも
どうしても惹かれ、憧れずにはいられなかっただろうと思います。
生まれついての天賦の才能ももちろんだと思いますが、
きっと沢山沢山の下地や努力があってこそ、あんなに美しいものが作れるのでしょう。
その他にも沢山のすばらしい作品を観ることが出来、
とても充実した、いい1日を過ごすことができました。

「対決 巨匠たちの日本美術」、17日まで開催されています。

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コメント

aniseさん こんにちは
光悦、長次郎の茶碗を見れて良かったですね
いい作品に出会うとたくさん考えさせてくれます
のびやかな光悦 いつか見てみたいものです

その茶碗を両手で持ち感触を確かめ眺めつつ
抹茶をずーーっとすすりたいものです
武人、茶人、北京原人、どんな気分になるかな?

投稿: グールドの帽子 | 2008年8月12日 (火) 09時58分

こんにちは♪
百合の花、後からの姿もすきです
花びらの真ん中のライン
花の反り返り
花の質感
でも写真に撮るとなると難しいんです
後姿も百合の花ですねキレイ!

投稿: エフ | 2008年8月12日 (火) 14時50分

>グールドの帽子さん、こんばんは。
光悦、長次郎が見れて、よかったです。
もう本当に、感動するほど美しい茶碗達でした。
何百年経っても観る人を感動させるほど輝いているなんて
すごいことですね。
本当に、いい作品に出会うと沢山考えさせてくれますね。

>その茶碗を両手で持ち感触を確かめ眺めつつ
>抹茶をずーーっとすすりたいものです
いいですね。私も手に持って感触を確かめてみたいです。
どんな気分になるのでしょうね・・・!!


>エフさん、こんばんは。
百合の花、難しいですよね。
とても魅力的なたたずまいなので、それを壊さぬよう、
きれいに撮りたい・・・と思うのですが、本当に難しいです。
この写真も、不満に思うところが沢山沢山あるのです・・・。
写真のへたさを花の魅力に助けてもらいました。
日々練習、ですね。
百合の後ろ姿、私もすきです。


投稿: anise | 2008年8月12日 (火) 21時22分

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