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2006年10月 8日 (日)

ベルギー王立美術館展

Tukiji_3上野の国立西洋美術館で開催されている、
ベルギー王立美術館展」に行ってきました。

Tukiji_101_5   

入ってすぐのホールに展示されているのは、
パウル・ブリル作の「」。
入り江に大きな船が停まっている構図に、貿易などで圧倒的な経済的繁栄を謳歌していた当時のベルギーを連想する。
解説によるとこの絵は想像上の入り江なのだそうですが、その穏やかな海からも、国の安定した繁栄、だからこその絵画の繁栄が連想され、その絵画がこれから見られるのだとわくわくする。この船で、これからひととき、当時のベルギーへタイムスリップなのだ。

今回楽しみにしていたのはルーベンスとブリューゲル。
ルーベンスはやっぱり圧倒的にすごい。
質感、存在感、劇的な構図。
努力で人はいくらでも向上するけれど、やっぱりルーベンスはそれだけではなくて神様から特別な才能をいただいた人なのではないかと思ってしまう。
私は見上げるばかり。

Tukiji_111_3 Tukiji_112_2

ブリューゲルは、鮮やかな色彩と精緻な筆で当時の人々の様子が描かれているのに惹かれる(今日も、息子の作「婚礼の踊り」が出ていました。)のだけれど、今回は父の絵の方に「イカロスの墜落」という古代神話をテーマにしたものがあって興味深かった。この絵には作者名の横に「?」がついていて、いまだに父の真筆かどうかの議論に決着がついていないのだそう。観ていた私は十分楽しめたのだけれど、やっぱり決着はつけないといけないのでしょうか・・・。(専門家的には、いけないのでしょうね。)

それからとても心惹かれたのが、ヴァレリウス・ド・サーデレールの「フランドルの冬」。
雪に音を消された静かな冬景色と、その手前の木々のシルエット、色合いもとても印象的。

Tukiji_118_1「フランドルの冬」

その他デンマークの森林風景や、アレクサンドル・デッラ・ファイユの優美な肖像画(当時の王侯貴族や富裕市民層はこぞって彼に肖像画を依頼した)ウィリアム・ドクーヴ・ヌンクの幻想的な孔雀、アンリ・ヴァン・ヴェルドやテオ・ファン・レイセルベルの細かい細かい点描、ルネ・マグリットの不思議な「光の帝国」などなど見所いっぱい。
本当に、いろいろな意味でのベルギーの豊かさが絵の豊かさに表れている、とっても充実した楽しい展覧会でした。

Tukiji_096

公式HP
http://event.yomiuri.co.jp/royal/
(12/10まで開催されています。)

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コメント

こんばんは、aniseさん
ベルギー王立美術展、私も先日行きました。見応えのある美術展ですよね。
『フランドルの冬』、私も惹かれました。バックの深い緑の色合いがとても綺麗でしたよね。ただ、ポストカード等の印刷物だとその緑がうまく再現されてなくて、ちょっと残念でした。

投稿: リョウ | 2006年10月 9日 (月) 00時03分

リョウさん、こんばんわ。
リョウさんも行かれたんですね。
本当に見ごたえがあって、いい美術展でしたね。
「フランドルの冬」の、深い緑色(やっぱり印刷では難しいのでしょうか)、とてもいい色でしたね。
あんな景色を、写真でも撮れたら・・・。

投稿: anise | 2006年10月 9日 (月) 01時18分

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