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2006年6月 8日 (木)

腕一本 巴里の横顔 ~フジタ自由研究~

昨日、仕事の後で、近所で人気の皮膚科に行ってきたのですが、
受付をしたもののまだまだ待つというので、ちょっと外出して時間をつぶすことにしました。

腕(ブラ)一本・巴里の横顔―藤田嗣治エッセイ選 Book 腕(ブラ)一本・巴里の横顔―藤田嗣治エッセイ選

著者:藤田 嗣治
販売元:講談社
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その時本屋で見つけたのが、この文庫版「腕(ブラ)一本 巴里の横顔 藤田嗣治エッセイ選」。
この春に藤田嗣治展に行って、そのただならぬ風貌とその絵の美しい肌に唸った、あのフジタです。

フジタ氏↓

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レジに出す。
「¥1,300でーす」
え、ええーーー?
文庫なのに\1300なんですか??
うむむむむ、さすがフジタ。やはり君はいろいろな意味でただならぬ男だ。負けたよ。
しょうがないので心では泣きながらも笑顔でお金を払い、皮膚科に戻る。

名前を呼ばれるまで20分余り、面白いのでスイスイ読んでしまいました。
やっぱりエッセイはいい。本人の言葉で書いてあるのがいい。
文章というのは多少とも人となりを語っているものです。
画集の解説では分からない本当のその人が分かる気がします。

まだ途中なのですが、今まで読んだところではフジタはやっぱりとってもエネルギッシュな人で、行動力がある。感受性豊かで素直。悪人ではない気がします。
あの時代、やっぱり外国へ行くというのはいろいろな意味で大変なことだったんだと思います。でもちょっとの嬉しいこをを胸に、エネルギーにして頑張っていたんだなと思うと、味方になりたくなりました。

私の好きな一説にこんなのがあります。

「プラスピガールの歓楽の夜を騒ぎ明かすキャバレに、サクソホーンを十指の間に操るジャズバンドの一人の男が、私に大きな目を開き、厚い唇を翻しながら
「何だと思う、夜眠る前その最後の瞬間に見るもの、また朝目を醒まして最初の第一に見るものは」
と聞く、
多分お前の恋女房の顔だろうとの答に、大きな肩を揺りながら両目を開いて、
「考えてご覧、そんな下らぬものじゃないんで、貴方の画でさあ、私はとても好きで、一日の苦労も忘れ、一日働く勇気も貴方の絵で湧くんですぜ、私も、私に似合わないあの画を随分苦労して買ったんですよ」
と言った。
私もこんな事から激励された。
永い間にはこんな話等が始終あった。」

なんかいい話ですよねー。
こんな話を聞いたら、一人の外国でも百人力って感じですね。
続きを読むのが楽しみです。

(長文御免。)

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