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2006年2月11日 (土)

書の至宝展

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東京都国立博物館・平成館で開催されている、「書の至宝展」に行ってきました。

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“至宝展”という名にふさわしい、日本と中国の名筆が勢ぞろいしています。
王義之、小野道風、藤原行成、空海、聖徳太子、良寛・・・、どれもが皆、宝石のような輝きを力強く放っていました。

王義之の書は本当に「きれい」。
真筆は現在では絶無と言われているようで、今の私達に出来ることは、模本、拓本、同時代の肉筆資料(同じ時代なので影響を受けて字が似てくるから)から想像すことだけなのですが、それでも充分その美しさが伝わってきます。
歴代の中国皇帝が王義之の書を愛好したというのが分かります。
その虫食いの跡が雪が降っているようだと言って、「夾雪本」と呼んでいる「淳化閣帖」。その発想が、とっても素敵です。そう言われてから見てみると、本当に雪のように見えてきました。

聖徳太子の手になるものを含む奈良時代の写経は、当時の信仰に対する情熱が伝わってきます。

空海の書にはなんともいえないオーラがありました。
空海について詳しくはないのですが、骨のある人の清々しい書、といった印象で、とても惹かれるものがありました。

小野道風、藤原行成の書は、
まさに「流麗」とはこの事、といった美しさ。
日本人のDNAがそうさせるのか、日本の書はやはり何か見ていて落ち着きます。
又、「秋萩帖」には風に揺れているような萩の絵が添えられており、秋の風情が感じられて日本人の豊かな季節感が実感できました。

平安物で面白かったのが、藤原道長の日記です。
毎日細かく色々なことを記しているのですが、その中に、「沐浴(もくよく)」という字があるのを発見しました。
お風呂かな~と思って注意してみると、大体一日おき位に「沐浴」の字が出てきます。
へえぇ~と思っていたら、すぐ前を歩いているおじいさん二人組みが、「沐浴って書いてあるね。お風呂は一日おきなんだね。」「貴族でも毎日は入れなかったんだね。」と話しだしてびっくり。楽しくなって「同じこと考えてました!!」と言いたいのを、ぐっと我慢しました。

鎌倉時代以降になると次第におおらかな字に変わってきたのが見て分かります。
前に、鎌倉時代の建物もおおらかで力強くて、いいなと思ったことを思い出しました。
時代の空気によって書も建物も変わってくるんですね。

初めて見る良寛さんの字はとっても個性的でした。

     *     *     *

とにかく大満足。
皆さんも、ぜひぜひ、お時間が合ったら足を運んでみてください。
書は分からないから・・・と躊躇している方でも大丈夫。
私もあまり詳しくありませんが、十二分に楽しめました。

公式HP:http://www.asahi.com/sho/
東京国立博物館HP:http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=2391



    *     *     *

今日の私の頭の中のBGM; ジョン・レノン “Beautiful Boy”

曲の中の、♪Beautiful Beautiful  Beautiful ♪という所のフレーズとメロディが頭の中をぐるぐる回っていました。

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コメント

こんばんは、大満足の展覧会鑑賞でよかったですね。

>鎌倉時代以降になると次第におおらかな字に変わってきたのが見て分かります。
前に、鎌倉時代の建物もおおらかで力強くて、いいなと思ったことを思い出しました。
時代の空気によって書も建物も変わってくるんですね。<


私も、中国の書と和様書の比較で中国と、日本国の風土、時代背景を想像しました。

墨の諧調、文字の装飾性、内容が分からなくても十分楽しめました。内容が分かれば、もっとよかったのですが・・・・・・

良寛さんの書は後半展示でしたので、2回行きました。
漢詩ですかね、おおらかな良い書でしたね。

そこで良寛さんの句を紹介します。
「ほろ酔のあしもと軽し春の風」
春が待ちどうしいですね。

投稿: mako(雑感ノート) | 2006年2月12日 (日) 02時50分

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» 『書の至宝』 [しのわずり]
東京国立博物館の『書の至宝』展にやっと行ってきました。 小一時間ほど入館のため [続きを読む]

受信: 2006年2月16日 (木) 21時40分

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